考えること(その103)
来年の東京オリンピックではここ横浜日吉にある、慶應義塾大学が英国代表チームの事前キャンプをホストとして受け入れるそうです。そのせいかどうか、最近はよく外国の方を街に見かける気がいたします。
そしてまた、新しい駅(すでに開通した駅もありますね。)もいくつかできるようで、日吉へのアクセスも増えることでしょうし、ますます活気のある街になりそうな予感です。
さて、今年もあと1ヶ月を切りました。今日は暖かですが、昨日は雨風が激しかったりでジェットコースターのような毎日ですね。どうか皆様も体調管理にはお気をつけくださいませ。
毎年この時期に感じてしまうのが、何かをやり残した感、です。Napは2001年12月生まれなので、開店から18年となりますが、この18年間には多くのライブハウスが生まれました。その中でNapも他の店同様に「Napらしさとは何ぞや」、を追求してきたつもりです。
毎年、世の中の空気も微妙に変化を遂げていることを感じます。テクノロジーの発達の影響も多いと思います。その中でNapも自然と変化した部分もありました。しかし、原点だけはこれからも忘れないように心がけたいものです。
その原点は何と問われたら、その真ん中にあるものは、音楽で自分が救われたように、音楽で誰かの心を揺り動かしたい、楽しませたい、という思いを持ったアーティストに出会える場所にしたい、ということです。
ステージに立つミュージシャンから、希望や勇気をもらう瞬間があります。時に立ち止まり、自信を失い、気持ちが滅入ったりする時、そんな時に限って、ライブのパフォーマンスに触れて、やはり音楽は素晴らしいもんなんだなあー、と感じ入る時があります。仕事冥利と思える瞬間です。
また、時に音楽を奏でることと、聴くこととの感性は別個のものではないかと考えることもあります。ただ単に音楽が好きだからだけではステージに立ち続けることはむつかしいものです。
理屈抜きの「心の叫び」がそこにあって、その中心に据えられた、音楽を一緒に楽しみたい、この気持ちを伝えたい、そんな音楽にこそ本当に人の心を動かす力が備わっているのかもしれません。
だからこそ。単に歌がうまい、演奏が良い、楽曲の完成度が高い等々の問いだけでは決して測れない、そのアーティストの音楽への向き合い方に共感できるような、そんな感性を手に入れ、輝く光(今夜の三日月のような!)のように磨いていけたらと願っています。
自分だけが持つフィルターを通して、自分の中の奥にしまってある真実な言葉をたくさんちりばめ、ベタな言葉でもいいから自分の中にある「愛」のある言葉に寄り添うメロディを掘り起こしたい。そんなミュージシャンにこれからもたくさん出会えたら幸せです!
残り1ヶ月弱。どうぞお時間が許す限り、Napへも足をお運びください。真剣に音楽と格闘しているミュージシャンにきっと出会えるはずです。
そしてまたこうして18年目を皆様とともに迎えられることに心より感謝申し上げます。素敵な年末と新年を迎えられることを祈りつつ。
2019.12.3 Nap代表 竹村龍彦