Napの考えること

by Nap-takemura

<   2003年 03月 ( 1 )   > この月の画像一覧

スタンス

Napの考えること(その8)


毎日仕事柄たくさんアーティストを誰よりも観られるというのがライブハウスに関われる者の特権です。わたしもいままで当然のようにそのような経験がなかったわけです。そこには実にたくさんのいろんなものが見えてきます。それによって音楽への見方がかなり変わったのも確かです。そこで見えてきたもののひとつをここで紹介したいと思います。もちろん極めて個人的な私見に過ぎませんが。それはたとえば以下のようなものになります。
 
それは、毎日のライブの中で当然ではありますがひとつも同じ空気感を味わえることはない、ということです。それは毎月顔を合わせるレギュラーのアーティストでもそうなのです。ほんとにその日その時に出演するアーティストによって見事にハコの空気は変わるということです。同じ日に順々とステージに上がっていくその出演者によってはっきりと空気が変わるということです。言わずもがな、ではありますがお客さんの立場でお店に遊びに来ていただくともっとはっきりと感じるでしょう。とくに自分が同じステージに立った経験のあるアーティストならなおさらだと思います。
 
それぞれの方が、いろんなスタンスでいろんな気持ちで音楽に向かってそして思い立ってよし、ライブをやろう、と思ってステージに立つ。それで友人やら知人やらファン等に声をかけて、その日にたつライブに向けて練習を積む。当日がやってくる。そうしてやってきた自分の時間に真剣に向き合おうとする。すごいエネルギーがいることでしょう。そしてそれこそハコによっては閉鎖的な空間もあり、排他的な空間もあり、または大きな愛で包まれるようなステキな空間もあったりもするだろう。
 
でもステージに立って歌をうたって、という行動にはどんな芸術もそうであるように、基本は大きい小さいを別に、「自由を得たい」から。自分が今現在抱えつつある(既に抱えている)不自由さから早くこの自分を、「解放させたい」という気持ちが働いているからだとわたしは思うのです。それをはっきりと感じられるからアマチュアのライブがわたしは好きです。そして、その様な気持ちがすべての人に共通に貫いているという、あたりまえのことをあらためてこの仕事を通して感じ知ることができました。すべての芸術が好き嫌いを自由に選べます。音楽ももちろんですよね。唯一自分の世界をとおすことができるもの、自由を自ら確実に手に入れることができるもの、それが芸術だと信じます。
 
一般的にいえば、ライブハウスではアマチュアが3組から5組の対バンで行うのがほとんどですね。そのようなライブハウスという場所では物理的に統一した空気感を最後まで包まれることはまず不可能です。だから何かの理由でその日のライブで自分が望む時間を得られなかった時なんか特に、あぁ、早くプロになっちまって自分の世界をもっと完璧なかたち(技術も含めて)で表現してえぜ、って望むこともあるのかもしれません。
 
いやはや、しかし、うだうだと長い文章を書いてきましたが要するに言いたいことはこの仕事を通して、自由というものの捉え方はひとつとして同じものがない、というあたりまえのことを改めてはっきりと確信したということです。もっときざな言い方をすれば、自分が一番幸せと感じる着地点もひとつも同じものがないんだ、ということを改めて考えるようになりました。

わたしは一時期、何も見えないままに音楽というものを盲信(自分の世界の中の音楽という意味です)していましたからこのことはけっこう大きなことでした。おかげで音楽に対する向き合い方も少しばかり変わっちまいました。で、このことがこれからの自分にとって一体何を得ていくのか、もしくはすでに得たのかをは定かではありません。でも変化したのは確かです。内面的にです。外面的には少々太りました・・・。 
[PR]
by Nap-takemura | 2003-03-25 07:54