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Napの考えること Nap Acoustic Live http://www.hiyoshinap.com

by Nap-takemura

言葉の重さ(続)

Napの考えること(その21)


何かを批評するというのはご存知のように実はそんなにむつかしいことではないわけです。なんてたって一億総評論家といわれて久しいのこの時代なんですから。とくに良くないところを挙げることは簡単なことです。一般的なレベルでの芸術の良し悪しは誰でもわかるもの。だからこそ大多数に評価された偉大な芸術というものが世の中にはあるのだし、音楽でいえば、その一定のレベル、たとえばプロとアマの違いをみつけるのは簡単なことなのだと思います。

音楽的なことでいうと、おおざっぱなところでは、MCの流れ、間の取りかた、曲の構成、ヴォーカル力。それこそ数え上げたら好き勝手にたくさん僕も言えるでしょう。プロの人たちにだって、然りです。結局のところこれが最高で、これで終わり、という次元はどこの世界もありえない。だから、自分が一生懸命につくったアンケートに何か批判めいたことを書かれたからといって本来、何も落ち込む必要なんてないんです、が、そこは人間、やっぱり良いことより悪いことを書かれた内容が悔しいけれど気になる。

そんなことを僕自身もそれなりに経験しているから、極力、「ライブ」評というのは悪いところを指摘するより、そのアーティストの良いところを磨く手助けになる言葉を投げかけられたらいいな、と考えてしまいます。しかしご察しのとおりそれはとてもむつかしい。一度や二度みただけのアーティストにわかったようなこと等とても言えませんし、たまにわかったようなことを言ってしまって後で後悔することもたびたびです。ほんとに自分の言葉を伝えることはむつかしい。

何度も何度もライブを見て、その人のこともなんだか少しだけれどわかってきて、そしてこれがこの人の代表曲だなと思えるものも知ってきて。そういう段階を経てやっと、ちょっとはまともなことが言えるのかもしれません。実際そんな感じなのです。自分のヴォキャブラリーの問題もかなりあるのですが、基本は知ることなのだと。その繰り返しが大事なのかなと最近ますます思う次第です。

だからこそ毎回来てくれるお客さんというのはとても貴重です。毎回来てくれるお客様(それが恋人や友人だとしても)がいるアーティストは幸せだと思います。確実に成長させてくれる批評家がすぐそばにいるということなのですから。

結局のところ、まだまだ僕は誰かを批評する自信がないというのが本音です。もうすぐ4年になるというのにねえ・・・ほんとに、ねえ。言葉をきちんと伝えること。それは永遠のテーマでもあり、人間として与えられた想像力や品のあるユーモア(これがまた手強い)を持って人と接するこができるのならベリーグッドです。

それができたなら、ほらもう僕もりっぱな人間です!? そしたらきっともっと良い歌たくさん創れるだろうし、歌えるはずだし、売れるだろうし、・・・って、また調子っぱずれになってきたようなので、もうこの辺にしておきます。失礼いたしました。
by Nap-takemura | 2005-06-28 08:25